【第4号】 熱処理設備の種類について
12月に入り冷気がいよいよ強まりストーブの出番を迎え、弊社那須工場を取り囲む那須の山々も頂上付近より白く覆われるようになりました。
また、一年の締めくくりの時節となり何かとご多忙のことと拝察いたします。
体調を万全にして年の瀬を迎えていただければと存じます。
さて、今回は熱処理設備の種類についてご紹介いたします。
熱処理設備の種類について
第3号では材料や目的によって熱処理にも様々な種類があることを紹介させていただきました。
今回は実際にその熱処理を行うための設備として、どのような設備があるか簡単ではございますが紹介させていただきます。
まず、熱処理設備の熱源は大きく分けると燃料と電気に分かれます。燃料の場合は、個体(石炭、コークスなど)、液体(重油、灯油など)、気体(天然ガス、LPG、副成ガスなど)、廃棄物(各種燃料を助燃とするもの)などが挙げられます。
電気は、抵抗加熱、誘導加熱(高周波、低周波)、アーク加熱、電子ビーム加熱、プラズマ加熱などが挙げられます。
広築サーマルGrでは抵抗加熱を熱源とした熱処理設備を多くラインアップしておりますので、抵抗加熱について簡単にご説明いたします。
電気器具を使用しているとき、電気コードが温かくなることがあります。
特に、電線にその定格以上の電流を流すと熱くなって危険なことがあります。
これはジュール熱と呼ばれるもので、電線に抵抗があるために発生します。
このような電線の発熱現象は歓迎されませんが、この作用を上手に使って優れた働きをさせるもの、それが「抵抗加熱」です。
この技術は一般家庭用機器から産業用機器まであらゆる分野で必要とされ、加熱される対象物も様々で、加熱される温度も低温域~3000℃のような超高温域まで対象物によって幅広く分布しています。
ではその「熱源」を利用した設備の主な種類をご説明いたします。
① バッチ炉(処理材料を定位置で加熱する炉)
一般的にバッチ炉では材料を1つの入口から入れ、同じ口から出すため処理材料を加熱室へ挿入し、処理終了後に材料を取出して次の処理を行うため、多品種少量生産向きの炉となります。
バッチにも種類があり、箱型、管状、台車型、ポット(ピット)、ベル型、エレベーター型などがあります。
② 連続式炉
連続式炉は一般に被加熱材料が炉に連続的に挿入され、炉内を一定の速さで搬送される間に加熱や冷却が行われ、処理が終わった材料が出口へと出てくる操業方式の炉です。
連続式炉は少品種多量生産向きの炉になります。
連続式炉にも種類があり、ベルトコンベア炉、プッシャー炉、台車式トンネル炉、ローラーハース炉、シェーカーハース炉などがあります。
下記URLに熱処理設備の種類と弊社の設備で該当する型式名を挙げた資料をまとめておりますのでご参考にしてください。
次回からは、金型の簡易熱処理方法についてご紹介していきます。
熱処理に役立つ資料
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