【第7号】熱処理設備についてと資料提供(3)
熱処理設備の雰囲気について(真空炉)
第6号では熱処理設備の雰囲気、大気炉を主に紹介いたしました。
今号では熱処理設備の真空の分類に触れたいと思います。
【真空炉】
第6号でご紹介したように大気炉で鋼をそのまま加熱すると表面に酸化物ができたり、脱炭して硬度が減少したりします。
対策としては保護ガス下で加熱する以外に真空状態で加熱する方法もあり、真空炉と呼ばれる設備があります。
真空とは通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態とされており、真空熱処理は炉の内部の気体を真空ポンプで炉外へ排気して、炉内が真空の状態で熱処理を行います。
真空状態、すなわち酸素が限りなく少ない状態で製品を加熱する事で、製品の酸化や脱炭を軽減する事ができ、光輝仕上がりが見込めます。
真空焼入れでは炉内へ窒素ガスを加圧導入し急冷させる加圧冷却方法や、油冷却をする焼入れ方法などがあります。
真空炉には焼入れや焼戻し以外にも、固溶化処理や表面処理を目的とした装置などもあります。
その時の用途に合わせて真空の領域も検討する必要があります。(低真空、中真空、高真空、超高真空など)
一般的な真空の領域の区分
低真空・・・100kPa~100Pa
中真空・・・100Pa~0.1Pa
高真空・・・0.1Pa~10-5Pa
超真空・・・10^(-5)Pa以下
次回は、提供予定の熱処理作業標準 ?炭素工具鋼 ?低合金工具鋼についてふれたいと思います。
弊社の編集した熱処理資料提供
我々には、過去お客様にご提供し好評を得た熱処理資料がたくさんあります。
その中から今回「金型の簡易熱処理法」と題した資料を6回に分けて提供させて頂きます。
「金型の簡易熱処理法」の内容
1.熱処理設備
2.熱処理手順
3.金型鋼の鋼種と焼入れ性
4.熱処理作業標準:①炭素工具鋼 ②低合金工具鋼
5.熱処理作業標準:③高合金工具鋼 ④プラスチック金型鋼
6.熱処理作業標準:⑤熱間金型鋼 ⑥高速度工具鋼
今回は、「3.金型鋼の鋼種と焼入れ性」 をお届けします。
下記よりダウンロードいただけますので是非ご覧ください。
熱処理に役立つ資料
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